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・「何でも買ってくれるんですか?」

 

 お客様からよく聞かれる質問に、「何でも買ってくれるんですか?」というものがあります。

 

 結論から言うと、残念ながら何でもは買えません。

 

 やはり我々も商売なので、経験上売れる見込みが無いと思う本を買うことは出来ません。お客様から本を見せて頂いて、買い取りをお断りしなければならないこともあります。

 

 そこでよく言われることが、「じゃあどんな本なら買ってくれるんですか?」という台詞。

 

 これは買える、これは買えないというリストでも提示できればいいのですが、梁山泊の取り扱い分野は江戸時代以前の書籍から今年出版された本まで、誇張ではなく星の数ほどある本の中から選んだ物です。

 

 怠慢と言われればそれまでですが、途方も無い作業になってしまう為、そういった買い取りリストの様な物を作れていないのが現状です。

 

 どんな分野の書籍にも、値段がつくもの・つかないものがあります。

 

 本それ自体の価値と市場価値が必ずしもイコールでは無いのが辛いところなのですが…

 

・買い取りできない物の具体例

 

 詳細な買い取りリストはなかなか作成することが困難なのですが、買い取りできない代表例の様な物はやはりあります。

 

 これは時代によって大きく変化するので、あくまで平成27年現在は、ということですが、たとえば、

 

「文学全集」

 

と銘打たれた物(「日本文学全集」「世界文学全集」など大部の物)は昨今、日本中の古書店で売れない物の代名詞の様になってしまっています。

 

 ところがこれにも例外があって、池澤夏樹氏の個人編集で刊行された「世界文学全集(河出書房・全30巻)」、同じく目下刊行中の「日本文学全集」は買取大歓迎の書籍です。

 

 これは大変わかりやすい例ですが、この様にどんな分野にも例外があって、十把一絡げに「こういう物は買える」「こういう物は買えない」と言ってしまうとどうしてもこぼれ落ちてしまう物が出てきます。

 そういった物を掬い上げることこそ古書店業の本分では無いかと個人的には思う為、「どんな本なら買ってくれるんですか?」と聞かれてしまうと言葉に詰まってしまうことがあります。

 

 一言で言ってしまえば、「代わりのきかない本」はどんな分野の本でも、どの時代の本でも価値があります。

 

 その線引をどこでするのかが、一概には言えないのですが…

 

・古本屋を動かす方法

 

 お客さまのお宅に伺って、「実は色々な古書店に問い合わせたんだけど、どこも電話口で断られてしまって…」とお聞きすることがままあります。

 

 本棚を拝見しながら、「いい本がたくさんあるのに、何故よそは断ったのだろう?」と考えてみて、「自分もやはり電話口でお断りしようか迷ったのだった」と思い出したりします。

 

 それはお電話でお話した際に具体例を挙げられた本が、上記の様な昭和の文学全集であったり、売れない本ばかりだったからです。


 しかし、その後に、

 

「その他にも本棚がたくさんあって、とにかくたくさん本があるんです」

 

とお聞きしたので、一度拝見させていただくことになったのです。

 

 本の価値は時代に左右されます。これに対して我々はほとんど無力です。
昔高くで買われた本が安くなっていたり、お客様と我々の「良い本」「悪い本」という価値観が一致しないこともよくあります。

 

 古書店主も、本なら何でも好きだ、という人はまずいません。やはり人間なので、自分の興味の及ぶ物か、儲かりそうな物以外は必要ない、というのが本音だと思います。

 

 「昭和の文学全集が家にある」とだけ聞いても、やはりお断りせざるを得ません。

しかし、その後に、「他にもたくさん本がある」とおっしゃって下されば、心が動かされます。

 

・「たくさんの本」

 

 と言っても、「たくさんの本」という表現もなかなか難しく、日々数千・数万冊の本が身近にある我々と、一般の方とでは感覚にズレがある場合があります。

 

 私の場合、「たくさん本がある」とお聞きすれば、極力どこでも伺おうと思っているのですが、たくさんとお聞きしていた本がダンボール1箱分であったり、小さな本棚一つ分だったりすることはしょっちゅうです。

 

 特にご自分の蔵書では無い場合、数十冊でも家に置いてあると「たくさんの本があって困る」という思いの方が多い様です。

 

 本の量で質は計れないだろうというのが正論なのでしょうが、経験上、ごく少量の本で採算が取れたケースというのはほとんどありません。

 

 あくまでこちらの都合ですが、みかん箱サイズのダンボール2~3箱の量の本は宅配にてお売り頂けると大変ありがたいというのが本音です。

 

 その辺りは、お問い合わせ頂いた時点で、量や内容についてもこちらでお聞きして最良と思われる方法を提案いたしますので、まずはメールやお電話でご相談下されば幸いです。

 

決して少量なら全て不要というわけではありません。例え1冊でも2冊でも、梁山泊でぜひ扱いたいという本であれば全国どこでも出張いたします。

 

まずはご相談下さい。


 

0120296389
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